海上無線通信士とは？資格の種類と役立つ職業

海上無線通信士とは？資格の種類と役立つ職業

海上無線通信士の役割

海上無線通信士の主な役割は、船舶と陸上の通信を維持することです。船舶が港湾から遠く離れた海上を航行しているときでも、安全かつ効率的な運用を確保するために、無線通信が不可欠です。海上無線通信士は、船舶と海岸局や他の船舶との間の通信を確立し、維持します。また、緊急事態時には、救助信号を発信したり、医療支援を要請したりするなどの役割も担っています。

資格のランクと範囲

資格のランクと範囲

海上無線通信士の資格には、ランクに応じて以下の種類があります。

* -上級海上無線通信士-
* -海上無線通信士-
* -限定海上無線通信士-

それぞれの資格には、通信できる無線周波数帯域や通信範囲が異なります。

-上級海上無線通信士-は、あらゆる無線周波数帯域で全世界の通信ができます。-海上無線通信士-は、特定の無線周波数帯域の中で全世界の通信ができます。-限定海上無線通信士-は、国内沿岸部の特定の無線周波数帯域のみで通信できます。

海岸局と船舶の規模による違い

海岸局と船舶の規模による違いは、海上無線通信士の職務範囲に影響します。海岸局とは、陸上の施設から船舶と通信を行う局です。船舶の規模によって、搭載する無線設備や必要な資格が異なります。大型船では、グローバル・マリタイム・ディストレス・アンド・セーフティー・システム（GMDSS）対応の高度な無線設備を備えており、海難救助や航行の安全を確保する通信業務を担当します。一方、小型船では、よりシンプルな無線設備を使用し、主に沿岸部での通信を行います。

役立つ職業

-役立つ職業-

海上無線通信士の資格を活かせる職業は、幅広くあります。一つは船舶の乗組員です。船舶では、通信士が船舶間の無線交信や陸上の基地局との連絡を担当します。また、航空会社でも通信士が活躍できます。航空機と地上管制との交信や、乗客や他の航空機との通信を行います。さらに、海上保安庁や警察など公的機関でも通信士が求められています。海難救助や捜査活動で無線通信が不可欠だからです。その他にも、無線機メーカーや海上通信事業者など、通信関連企業でも海上無線通信士の資格が役立ちます。

資格取得方法

資格取得方法

海上無線通信士の資格を取得するには、総務省が認定する無線従事者養成機関で養成課程を修了する必要があります。養成課程は、学科講習と実技講習で構成されています。学科講習では、無線通信の原理、法規、気象学などの知識を学びます。実技講習では、無線機の基本操作や通信方法を習得します。養成課程を修了すると、国家試験を受験することができます。国家試験に合格すると、海上無線通信士の資格が取得できます。